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(事例で学ぶ!) 「 突然の介護生活 」が始まった詩子さん・43歳

詩子(うたこ)さんは、地方では有名な病院の小児科で勤務する看護師です。
今日は日勤で、朝からいつもの忙しい勤務が始まりました。
休憩時間に入り、友人たちと院内の食堂で過ごしていると、着信が。
めずらしく、実家からの着信です。

「はい、久しぶり。どうしたの?」

着信は、詩子さんの父からの電話でした。

「母さんが、今朝起きてこないから起こしに行ったら、ろれつが回らないし、起き上がることができなかったんだ。びっくりして救急車を呼んで、隣町の県立AI病院に運んでもらったよ。ちょうど今入院したところだ。仕事が終わってからでいいから、顔出せるかな?」

詩子さんは驚き・そして一気に悲しみがこみ上げてきましたが、
取り乱すことなく
「わかったわ。少し仕事を早く切り上げてそちらに向かいます。」

そう答えて電話を切りました。
トイレに駆け込み、気持ちを落ち着かせようとしましたが、ダメです。

病棟の看護師長に相談したところ、

「早く言ってあげなさい。お父さんも不安でいるんでしょう。あなたが力になってあげないと!」

午後の仕事を同僚に代わってもらい、母が搬送された県立AI病院に自家用車で向かいました。自家用車の中ではあふれる涙を押さえられず、無事を祈りました。

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病院に到着し、父に教えられた5階病棟の501号室に到着。

母は眠っているようでした。

ちょうどその時、担当看護師のUさんがノックをして501号室のドアを開けて入ってきました。

「 担当医師から病状の説明があります。今、お時間はよろしいですか? 」

詩子さんは父と顔を見合わせ頷くと、担当看護師の後をついて医師の待つ部屋へと入っていきました。

「佐藤さん(詩子さんの母)の担当となります、医師の影山です。よろしくお願いします。」

「佐藤さんの病状についてですが、検査の結果、脳出血と診断します。脳の中心の橋という部分が、‥‥‥‥‥。  ‥‥今は薬で眠ってもらっていますが、目を覚ました時に意識がはっきりしない状態が続く可能性が高いと考えます。また、手足がこれまでのように自分の意志では動かしずらいと思います。」

「今後の経過にもよりますが、この病院の入院期間は30日程度を想定してしてください。その後は『診療情報提供書』を書きますので、リハビリができる病院に転院し、リハビリを受けることをお勧めします。以上ですが、なにか‥‥‥‥ 」

「どうしよう‥‥。」

母の入院生活とその後の生活のこと。

詩子さんのご両親は、少し年の差が離れたご両親です。
お父さんが77歳。
お母さんは64歳です。

何からしたらいいのか
リハビリ?転院?
医療費は大丈夫かな?

あっ、
お父さん、食事や洗濯、ひとり暮らしで大丈夫?

兄弟のいない詩子さんは、独りで考え込みました。



「自分は今看護師として働いているけど、二人の子供はまだ小学校に入る前だし。」
「中古だけど、おととし念願のマイホームを手に入れてローンだってあるし。」

「医療費っていくらかかるんだろう?
 ‥‥お父さん、大丈夫かな??」

詩子さんの頭の中は、答えの出ない不安でグルグルまわります。
でも、そろそろ子どもの迎えの時間が近づいてきました。
また明日も来ることを父に伝え、AI病院を後にしました。